PCオシロの罠

筆者はPICの動作確認のためにPCオシロを使っています。

これには思わぬ罠が隠されています。

PIC18F2550は便利なマイコンです。下のような簡単な回路だけでPCとUSB通信ができます。 しかも電源はUSBから供給! 非常にコンパクトなものが作れます。
現在RC0は5Vを出力しており、LEDが点灯しています。

この回路中のLEDの電流制限抵抗の電圧降下を同じPCに接続されたPCオシロで測定したいとします。

LEDの電圧降下は約2Vなので、抵抗の電圧降下は3Vと予想されます。
誰だってそう思います。僕もそう思います。 しかし、現実は無情。オシロの表示する電圧は5Vです。
しかもなぜか点灯していたLEDが消えます。

それはなぜか??
実はこのPCオシロ、非絶縁タイプです。
非絶縁タイプとはオシロのGNDがPCのGNDとつながっているタイプという意味です。

この回路はPCとつながっているため、この回路のGNDとPCのGNDは共通です。 つまり、PCオシロのGND(マイナスのクリップ)をこの回路につなぐと、その箇所と回路中のGNDをショートさせることと同じになります。 当然、オシロの測定値は5Vとなり、LEDに電流は流れずLEDは消えてしまいます。

これはまだましな例です。もしPCオシロのプローブのプラスとマイナスを入れ替えて測定するとどうなるでしょう。 同じことを通常の電池式テスターでやれば、単に電圧がマイナスになるだけで、なんの問題もありません。 しかし、PCオシロでこれをやると、マイコンが壊れます。 それもそのはず、出力ピンをGNDに直接つなげていることになるのですから、当然過電流により壊れます。
このPCオシロの特徴に気付かなかった筆者はこれで何個もマイコンを壊しました(゜Д゜)v
しかもあろうことか、おかしな表示をするPCオシロが壊れていると判断し、半年ぐらい眠らせていました^^;

そもそも、PCオシロのマイナスは最初から回路のGNDとつながっているのですから、接続する必要がないのです。

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