デジアナ混在回路の罠

下は「両面ユニバーサル基板の罠」ででてきた自作ボイスレコーダの回路図です。
コンデンサマイクで音を拾い、オペアンプで増幅し、マイコン内蔵のADコンバータでディジタル信号にし、 SPI通信でSDカードにwavファイルとして保存します。保存した音声データファイルはSDカードリーダーでPCに読み込み、Quick Timeなどで再生できます。
ディジタル回路とアナログ回路が混在した回路になっています。

電源部、及びアナログ回路部


ディジタル回路部


こうしたデジアナ混在回路には恐ろしい罠が隠されています。
この回路の基板の配線を考えます。
どのような配線にするのが良いでしょうか。 普通に考えると信号の通る順番に合わせて 電源回路→アナログ回路→ディジタル回路 と言う順に配線すればいいと思います。

誰だってそう思います。僕もそう思います。 しかし、現実は無情。このようにパターンを引くと録音した音はノイズだらけでとても使い物になりません。
それはなぜか??
実はこのPICマイコンに限らずディジタル信号を扱うICはアナログICに比べて遥かに大きいノイズを発生します。 しかも周波数が高ければ高いほどノイズは大きくなります。 出来る限りノイズが外に漏れるのを防ぐ為にマイコンの電源ピンの側にデカップリングコンデンサ0.1μFなどを付けますが、十分ではありません。 なので、ディジタル回路を通したあとのノイズだらけの電源、GNDをアナログ回路に供給していることになります。 アナログ回路は繊細なのでそのままノイズの影響を受けてしまい、ノイズごとオペアンプで増幅してしまいます。

これを防ぐ為にはアナログ回路の電源やGNDは電源回路から直接つなぎます。 アナログ回路とディジタル回路の結合は出来る限り小さくします。

これによってノイズは相当低減します。 回路図としては同じですが、デジアナ混在回路ではどのように配線をするかで性能に大きく差が出ます。

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